近年では小学校から英語の授業がスタートし、「使える英語」の習得を目指して授業内容も大きく変わりつつあるようです。
特に大きな変化となっているのが「話す」「書く」という実際的なコミュニケーションに役立つ部分を重視する方向にシフトしつつあることです。
一方で、従来の「文法重視」の学習からは脱却すべきという傾向になってきています。
文法の学習は必要?それとも不要?
現在では文法肯定派と文法否定派に分かれ、お互いに否定し合っているような状態にも見えます。
しかし、どちらに片寄るのも学習方法としては理想的とは言えないのではないでしょうか。
結論を先に申し上げるなら、文法とコミュニケーションのどちらを偏重するのも正しい学習方法とは言えず、両方をバランス良く学ぶ必要があると言えるでしょう。
文法を学ぶのは母国語であっても同様
小学校で英語の授業が始まると、ごく簡単な文法から学び始めます。学んだことを体系化して定着させて行くのは英語に限らずどの教科でも同じです。
一見すると「文法を勉強しないでいい」という方が取っ付きやすい感じがして、学習の敷居を下げてくれる感じはあります。「お堅い」勉強をすることだけが必要なのではなく、親しみやすいアプローチも必要だと思います。
でも日本人も母国語である日本語を話すために国語の時間に日本語の文法を学習するのは必要だったりしますよね?
文法の習得は英語を効率的に学ぶ近道
文法を学ばないで英語を習得するなら、手探りのような学習となりますが、文法で英語の「ルール」を理解できるなら実はこれが学習の近道になってくれます。そう、文法は英語を学習して行く上での地図にもなってくれるのです。
体系的に習得した知識は後から引き出すのも容易ですし、一度文法を習得したら、将来的に英語を使って行く上での大きな財産となるのは間違いありません。
インプットとアウトプットのどちらもバランス良く
学習にはインプットとアウトプットの両方が必要です。文法の知識を習得して行くのはインプットの比重が大きいでしょう。
インプットした後のアウトプットとして、習得した知識を用いながら「話す」「書く」練習をして行くべきです。
ですから、やみくもにアウトプットの部分に片寄るのも望ましい学習方法とは言えません。
まとめ
学校での英語教育が文法軽視の方へと逆方向にふり切れて来ているのは、これまで文法重視の教育であったのにほとんどの日本人が英語を使えるようにならなかったことによると思われます。
しかしそれは「話す」「書く」というアウトプットの部分が不足していたために使える英語力にならなかったのであって、文法の学習を否定して良いということにはならないはずです。
過度に文法を軽視することもまた、将来的に使える英語力につながらない可能性があります。
やはりインプットとアウトプットの両方をバランス良く行なって行く上で、文法の学習も欠かすことのできない要素だと言えます。